人生の大半を共に歩み、信頼し、心のよりどころとしてきたパートナー。
そんな存在に、ある日ふと心の距離を感じる瞬間があります。
「分かっているつもり」でいたことが、実は分かっていなかったと気づいたとき。
これまで積み重ねてきたものが、音もなく崩れていくような虚しさを感じることがあります。
心をつなぎ直さなければいけないと思いながらも、話すきっかけが見つからない。
伝えたい思いはあるのに、言葉が出てこない。
素直に話せばいいのだろうけれど、「辛い」「苦しい」「悲しい」わけではない。
ただ、思いを共有したいだけなのです。
分かってほしくて伝えたいのに、言葉にならないもどかしさ。
歯がゆくなるほど言葉を探しながら、それでも分かってほしいと願ってしまう。
一緒にいながら感じる孤独。
同じ景色を見ていても、同じ感動を味わっているとは限らない。
すべてを共有することが難しいのは分かっている。
それでも、分かり合えないことが切なく、苛立ち、その思いの強さが相手の重荷になっていることにも、どこかで気づいている。
それでもなお、自然に受け入れてもらえる「すべ」を知りたい――
そんな勝手な思いが、ふと心をよぎるのです。
「分かり合う」とは、「分かち合う」こと。
自分の思いを分かってもらうことに、囚われすぎてはいないでしょうか。
相手の思いを分かろうとし、理解しようとする姿勢を、
伝えたい気持ちと同じくらい持てたなら、
きっと本当の意味で分かり合うことができるはずです。
ほんの小さなズレが、やがて大きな溝になってしまう。
その原因は、「自分の意見は正しい」という、自分中心の考えにあるのかもしれません。
心の中に、相手を受け入れる「スペース」をつくる。
それが心のゆとりとなり、安らぎを生み、
穏やかな表情や言葉へとつながっていきます。
そして、その先に慈しみや愛しさが育っていくのです。
「時間が解決してくれる」と思っているうちに、
溝がより深くなってしまうことも少なくありません。
ネガティブな感情が積み重なる前に、
少しでも早く相手を理解しようとすること。
それができれば、関係はきっと修復できるのです。

